ブルービースト

ユノが少し感心していると、ポチがシエラの膝の上でピンと耳を立てた。


続いてピョンと床に降り立ち、テコテコとフロアリビングの入口に向かい歩いていく。




「あ、ブロードさんが帰ってきた」




クリスがそう言うのと同時に、ポチがいる入口のドアが静かに開いた。



ちなみに自動ドアである。





もちろんそこから現れたのは、蒼い髪に蒼い瞳の我らが隊長ブロードさん。






「わんっ」




ポチは嬉しそうに尻尾をふり、ブロードの足にすり寄った。



飼い主さまは飼い犬くんを抱き上げると、何か安心したような溜め息をつく。





「ブロードおかえり」




レイツが穏やかにそう言ってやった。



ブロードは顔を上げると集まっているユノ達を見る。




やはりそこにいつもの笑顔はなかった。




そして、毎週それが普通。






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