ブルービースト
リシアはそう言うと、おやすみと声をかけ部屋に戻っていった。
その姿が消えた扉をジッと見つめ、ユノは首を傾げる。
「リシアちゃん、そんなに努力しなくても可愛いのに」
「お、それ本人に直に言ってやれよ。飛び付かれるぜ」
「…遠慮しときます」
ユノは複雑そうに断った。
正直飛び付かれると鬱陶しい。
「まぁ、あいつはブロード一筋だしな。
あれもブロードに少しでも気に入られようとしてんじゃねぇか?
ブロードは相手にしてないってか恋愛とかしなさそうだし、前途多難だけどな。」
「ブロードさんのどこがいいのかがわかりませんね」
呟いたユノにシエラが苦笑した。
クリスはまたうつらうつらしながら目を擦る。
「リシアさんも最初はブロードさんのこと、恋愛対象として見てなかったみたいですよ。」
寝そうなクリスを見ながらシエラが言った。
意外すぎるそれにユノは驚く。
「リシアちゃんが?ベッタベタなのに」
「リシアさんはブロードさんに助けられてからそうなったんですよ。」