ブルービースト
「さ、俺らもそろそろ寝るぞ。もう2時になっちまう」
シエラの肩に手を置き言うレイツ。
なんだかどっかのお父さんみたいだ、ユノはそう思った。
「うん。おやすみなさい、お兄ちゃん、ユノさん」
シエラは銀色の髪をさらりと揺らし頭を下げると、パタパタとスリッパの音を鳴らしながら部屋に続く廊下へ消える。
その様子を見届け、レイツもまた立ち上がった。
「じゃあな、おやすみ」
「おやすみなさい」
そして最終的に、フロアリビングにはユノ一人に。
「……はぁ、ますますわかんない」
結局ブロードが何をしているのかは手がかりなし。
しかも皆探る気もなし。
「………私も寝よう」
ユノはフロアリビングの電気を消し、廊下へ行った。
自分の部屋に入る前に、一番奥にあるブロードの部屋を見る。
「………ほんっとに、謎な人」
小さく呟いたユノはそのまま部屋に入りすぐに寝た。
意外な救世主?ブロードと、彼に助けられたらしい仲間の笑顔を思い出しながら。