ブルービースト
「はいはいはいッ!次はあたしッ!
リシア=メイティ、華の17歳女子♪
女の子だぁ、やったぁ☆」
茶髪男、レイツと同じくらいハイテンションな赤茶色の髪をした女の子がそう早口でまくし立てた。
どうやら新しく入って来たユノが女の子なのが嬉しいらしい。
ユノはリシアの完璧なスタイルをちょっと羨ましく思った。
リシアがユノにダイブしてはじめましてのハグをしていると、スッと横に銀髪を緩く二つにくくった小さめの女の子が現れた。
リシアの激しい挨拶に呆気にとられているユノを見上げ、ニコッと可愛く笑う。
「…私は、シエラ。シエラ=ローラン。
そこの茶色いのの妹です。
よろしくお願いします、ユノ先輩」
「…よろしくお願いします」
――…あぁ、この子はまともだ。
ユノは心の底から安心した。
茶色いのとはレイツのことだろう、彼が「何だその言いぐさぁ!」とシエラに向かって怒っている。
…怒っているくせに、笑顔だが。
ユノが執務室を見渡して賑やかな歓迎の飾りなどを見ていると、今度は男の子が目に映った。
水色の肩まであるストレートの髪を弄くりながら、ユノを碧い目で観察している。
外見からして超爽やかだ。
彼はユノの視線に気付くと、ふわっとふんわり微笑んだ。