ブルービースト
「………ブロードさんは息抜きしすぎですよね」
──…納得したのかしていないのか。
ユノはそう呟くと説教モードをやめ力を抜いた。
それを見たブロードは満足そうに目を細める。
「気のせいだよ、そんなの。
さ、ユノも行こう。今ならちょうど満開の時期だし」
「…………でも…」
ちら、とポチを見てユノは少し眉を下げた。
ポチが怖いから行けないと言いたいのか。
ブロードはあぁ、と思い出したかのように目を見開くと、腕の中の小さな柴犬に話しかける。
「ポチ、いいだろう?ユノはお前には危害を加えないよ」
「………ぐるる」
「大丈夫だって。俺にも悪いことはしない、…たぶん」
「ちょっと、たぶんて何ですか」
聞き捨てならないとばかりにユノは話に突っ込んで行った。
ブロードはへらりと笑い、
「怒ったら何するかわかんないからね」
と悪びれる様子もなく言う。