ブルービースト
-Ⅲ-
「ほら、ユノ!早く!!」
──…中央司令部の近所にある広い公園。
そこで前を走るポチを追いかけるブロードは、ユノの手を引いたまま自分も走っていた。
もちろんユノも走る形になるワケで、言われなくてもブロードに合わせて走っている。
だが、それよりも。
(…………手…!!!)
ユノは真っ赤になりながらそれを見た。
さっきからブロードはユノの手を離さない。
あちらには何の意思もないだろうが、男と触れ合うのに馴れていないユノからしたら大事件なのだ。
「ポチー、あんま走るなよ!コケるぞ、…うわ!!」
ポチに話しかけたブロードだったが、言った本人がコケかけてしまった。
それを見たユノは思わずプッと吹き出す。
「あ、ユノ笑うなよ!今のは違うからな、違う!!」
「ふふ、何が違うんですか?」
「……何か!つか笑うなって!」