ブルービースト
「クリス=フィーリスです」
…めちゃくちゃ短い自己紹介。
だがそれを彼のほんわかしたオーラがフォローしている。
ユノはどうも、と頭を下げるとまた部屋を見回し、もう自己紹介する人が誰もいないことを確かめた。
(あぁ、疲れた)
…早すぎるがこんな賑やかな場に遭遇したことがない為、仕方ない。
やっとリシアに解放してもらったユノが動き回る彼女を見ていると、リシアはにこにこして皆を見ているブロードにタックルした。
結構な勢いだが馴れているのか、ブロードはびくともしない。
そのままリシアをくっ付けてユノに話しかけた。
「…はい、これで全員わかったよね。この五人が第一部隊。今日からユノちゃんもその一員ってワケだ」
「…よろしくお願いします」
正直先行きが不安すぎるユノだったがそう言うと、ブロードはこちらこそ、と返してくれた。
へらへら笑顔はうざいが常識はずれというワケではなさそうだ。
…そう思ったユノが間違いに気付くのに、そう時間はかからないのだった。