ブルービースト
「……………………。」
肩と腕にブロードの重みを感じながら、何も言えなくなったユノはジッと彼を観察した。
さらさらな長い蒼い髪。
それに合った白い肌。
テンションが高かったからか、ほんのりピンクなすべすべな頬。
それらと整った美しい顔や華奢な体を見ると女みたいなのだが、身長と体格とその強さがきちんと男だと認識させる。
女装なんかしたら完璧女だろうなと思ったユノだったが、容易にノリノリでそれになりきるブロードが想像出来た為考えるのをやめた。
変わりにもう一度ポチへのタッチにチャレンジ。
「くん」
撫でられたポチはブロードからユノに目を移すと小さく鳴いた。
ポチ恐怖症を克服したユノは嬉しくなってまた撫でる。
その手をポチはペロリと舐めた。
それには少しばかりビビるユノ。
小さな犬が不思議そうに見上げて来た為、ユノは力なく微笑んだ。
「ごめんね、頑張って慣れるから………、?」
ポチに謝っていたユノはふと言葉を止める。
自分が話していた犬を抱いている、ブロードの腕の左の方。
そこに、何かを見た。