ブルービースト

「………えっ!?」



──…何かがぶつかって壊れたような音。



それがまだレイツ達のいる部屋に繋がる方から聞こえた。






「あ~…、これ久しぶりねぇ」


「ひ、久しぶり?」



何事だと慌てるユノを他所にのんびりと言うリシア。



その彼女の言葉に野次馬の如くその場へ行こうとしていたユノは、一度振り返り色気女の座るソファーへ目を向けた。





「久しぶりって、こんな音鳴るようなことが何回かあったの?」


「うん、最近なかったんだけどねぇ」


「…………誰の部屋??」


「ブロードさんだけどぉ、行っても………あ」




リシアは途中で言葉を止めた。


ユノが話を聞く前に、リビングを飛び出して行ってしまったからである。






「………行っても無駄、って言おうとしたのに~」




膨れっ面でそう言うと、リシアは今日も美貌を保つべく洗面所へスキンケアしに行ったのだった。




こちらもこちらで平然としすぎな気がするのは、きっと気のせい…………な、筈。






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