ブルービースト
「はぁ。でも、じゃあ別に部屋には入っていいですよね?」
溜め息をついたユノは、そう言うとそこへ入ろうと歩みを進める。
しかしレイツがまたしてもそれを止めた。
苛ついたユノは短剣の柄で本当にレイツの脳天をカチ割ろうとする。
「うわわわわわっ、ストップ!ヘルプミー!!
駄目だよユノちゃん、ブロードはまだ寝てるんだから!!」
すれすれのところで避けたレイツは、ユノの攻撃で壁に空いた穴を見ながらまたまた青ざめた。
だがしっかり入ってはいけない理由も教えてやる。
「寝てる?あんな音自分で作り出しといて??
相当図太い神経してるみたいですね、ブロードさんの頭をカチ割りましょうか」
「いやいやいやいや、一応上司だからね?わかってる??」
「聞こえませんでした、今度そんな屈辱的なこと口走ったら殺しますよ」
「確実に聞こえてたよね!バッチリ聞いてたよね!!」
レイツのそんなツッコミは無視して、ユノは今度こそ部屋に入った。
副隊長さんは短剣を突き付けられ両手をあげあっけなく負けてしまったのだ。