ブルービースト

「さっき起こしたんだけどよ、すぐまた寝ちまったんだ。

そっからはどうやっても起きねぇから、自分で起きるまで待つしかねぇかなって…」


「だから先に言えって」


「あっはっはっは、グヘッ!!」




笑って誤魔化そうとしたレイツはユノの短剣の柄の餌食となった。



どうやっても起きないと言うが、これは起こしてあげた方がいい気がする。



しかし気まずい空気は嫌だ。





そう心の中で葛藤していると、レイツの腕の中で伸びていたポチが不意にベッドに飛び乗った。



ブロードの頭の横にお座りすると、飼い主の頬にその前足を乗せる。





何をするんだと人間二人が見守っていると、ポチはそのまま──…





…………思いっきり鋭く爪を立てた。






もちろんそれはブロードの頬にぶっ刺さる。






< 89 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop