ブルービースト
「……んん…?
………………………。
……ぃ、いってえぇええぇ!!」
最初は寝ぼけ眼だったブロードも、次第に目が覚めていき最後にはめちゃくちゃ絶叫した。
ポチの爪攻撃大成功。
ブロードはベッドの上で、布団を巻き込み転がりながら痛みに悶えた。
もちろんポチはレイツの腕の中にまた避難している。
「いいいい痛い痛い!頬っぺたから血出たっつの!ポチぃいいぃいい!!」
「わんっ♪」
「『わんっ♪』じゃねえぇええぇ!痛いだろ何すんだよおぉーッ!!」
「ブロードさんうるさいです」
「黙れこれ見ろよ俺のすべすべ頬っぺに傷付いた………って、ユノ!?
ごごごごめんなさい!黙れとか言ってごめんなさい!!」
怒っていた筈がブロードはユノを見た途端に今度は一生懸命謝り出した。
その情けない姿にレイツは大爆笑。
「わ…笑うなよレイツ!あー、痛かった」
「きゅん♪」
「お前は楽しそうだな俺に攻撃しといてさぁ!」
そう言うなりポチをレイツからひったくると、ブロードは薄い茶色の小さな頭をグリグリしだした。
本気ではないらしく、ポチは楽しそうなままブロードの手を今度は引っ掻く。