ブルービースト

「これ…?」



呟き手に取ったのは、伏せられていた写真立て。


飾る為のモノなのに、倒れて写真が見れない。



不思議に思ったユノがそれを見るべく裏返そうとすると──…




「おおーっと!ストップストップ~」




──…そうぬかすレイツに引ったくられてしまった。




振り返ったユノはレイツを睨む。




「…怖ぇなユノちゃん」


「うざいです返して下さい」


「返して?これはブロードのだろ。伏せられてんだから勝手に見ちゃいけない」


「………………………。」




…レイツのくせに説教をはじめだした。




言うことも一理あるが、彼に言われる筋合いはない。




だいたい、あれは倒れていただけじゃないのか。



ユノがそう言うと、レイツは首を傾げて


「伏せてたって可能性もあるだろ?」


と、ニヤリと笑ってみせた。




…そう言えばもう言い返せない、とわかっているのだ。





「…性格悪いですよ」


「いやいや~、それほどでも」


「褒めてません」



(……ブロードさんと話してるみたい。)





ややこしくてうざい、それがユノが思う二人の共通点。





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