ブルービースト
-Ⅱ-
帰って来たレイツが合流したフロアリビング。
そこでは、
「…ぶぇっくしょん!!」
──…今日何回目かの大きなくしゃみが響いていた。
いや、今日何十回目か。
「はいはいどうぞティッシュよ~」
「うぅ…、ありがとうございます」
大爆音くしゃみの生みの親クリスは、リシアから差し出されたティッシュ(丸々一箱)を有り難く受け取る。
普段大人しい静かなクリスなのに、花粉症によるくしゃみは物凄くうるさい。
本当に変な奴が多いなここは、とユノは心の中で嘆いていた。
「はぁーッ、いい湯だった!すっきりすっきり♪」
そんな中、変な奴第一号がペットと共に風呂から戻って来る。
彼は長い蒼髪を見事に乾かし、嬉しそうににこにこ笑いながらソファーに座った。
……ペットと、共に。
ユノは今度、改めて何故軍隊に犬がいるのかを訊こうと決心した。