ブルービースト

「ブロードさん、大丈夫だったんですか?」


ソファーに座ったと思ったら部隊共有の冷蔵庫を探りだし、おっさんの如く牛乳(もちろん瓶の)をイッキ飲みするブロードにふとシエラが声をかけた。



おっさんはペットにも牛乳をやりながら、そちらに振り向く。




「おっさんじゃないんだけど。俺まだピチピチの20台なんだけど!」


「…はい?」


「あ、いや、こっちの話。で、何が大丈夫?」



不思議そうに首を傾げたシエラにそう言うと、ブロードは空になった瓶をポイッと分別袋に投げ捨てた。


普通なら割れるところだが、投げた本人が普通じゃないのでこちらも割れない。



ちなみに分別袋というのは何故かゴミの分別に厳しい軍隊から支給されたもの。




ここは軍隊も変だなぁ、とユノは紅茶を啜りながら冷めた脳内で思ったとか。





「お風呂場から凄い音と悲鳴がしたじゃないですか。滑って転んだりしたんですか?」


シエラは心配そうにブロードを見て言う。



こいつにそんな顔向けるのもシエラちゃんだけだろうな、とユノはまた絶対零度的に冷たすぎる思考を脳内に過らせた。





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