上弦の月
「それ…家族愛とか、そんな感じ?」
水月、それは違うよ。
違うけど。
「俺の事をなんだと思ってんの…?」
「幼なじみだから、ボランティア精神で俺の事愛してあげるって…そういう事?」
「マリアと似てると思った事なんてない」
「お前とマリアを重ねて見る事はない、ずっと」
心が、悲鳴を上げた気がした。
「…だけど」
水月が切ない表情を浮かべて。
あたしは、その綺麗さに思わず息を飲んで。
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