1億の☆
「なんだよ、答えろよ。
・・・・まぁいい、早く上がって来い!
西條、ご苦労だったな。
後は俺がやるから下がっていいぞ。」
誰に話しかけているのかわからず、
けれど西條さんに階段へ促されて、
初めて会話の相手が自分だと気付く。
促されるままに階段を上り始めると、
西條さんの姿が視界からなくなった。
(…それにしても長い階段)
体を動かしたことでやっと頭が冷静に働きだす。
(…やだな、さっきの人、めちゃくちゃ偉そうだったし)
息も絶え絶えの状態になりながら階段を上りきる。
荒い息を整え、目線を上げると、
先程まで廊下の中央に居たはずの男性がすぐそばに立っていた。