1億の☆
ゴールデンウィーク明けのけだるさを残す学校を出て家路に着くと、
まだ明るいにも関わらずパパの車が玄関の横に停まっていた。
「ただいまぁ~」
玄関を開けてリビングに向かって声をかけると
「「おかぁえりぃ~!!」」
リビングから両親が顔を出し、ママが幼さの残る笑顔で手招きをしている。
ウチの両親は仲がいい。
普通のより仲がいい
…というかラブラブ過ぎて正直恥ずかしいくらいだ。
靴を脱ぎリビングに入って行くと、両親はソファの上でいちゃついていたが、
まあこれはいつものことなので、気にせずにテーブルを挟み対面するソファに腰掛ける。
「どうかしたの?」
「大事な話があるの。」
私の問いに、満面の笑みで答えるママ。
しかし、笑顔の割にはなかなか本題に触れようとしない。
気のせいかチラチラとパパを気にしてる??
「早くしてくれない?私、宿題があるんだから」
別に明日は休みだから急いでやる必要もないのだけど、
なかなか本題を口にしない2人に、苛立ちを覚えてしまう。
すると決心したのか、今まで黙っていたパパが口を開いた。