1億の☆


ゴールデンウィーク明けのけだるさを残す学校を出て家路に着くと、
まだ明るいにも関わらずパパの車が玄関の横に停まっていた。



「ただいまぁ~」

玄関を開けてリビングに向かって声をかけると



「「おかぁえりぃ~!!」」

リビングから両親が顔を出し、ママが幼さの残る笑顔で手招きをしている。



ウチの両親は仲がいい。

普通のより仲がいい
…というかラブラブ過ぎて正直恥ずかしいくらいだ。



靴を脱ぎリビングに入って行くと、両親はソファの上でいちゃついていたが、
まあこれはいつものことなので、気にせずにテーブルを挟み対面するソファに腰掛ける。



「どうかしたの?」


「大事な話があるの。」

私の問いに、満面の笑みで答えるママ。


しかし、笑顔の割にはなかなか本題に触れようとしない。

気のせいかチラチラとパパを気にしてる??



「早くしてくれない?私、宿題があるんだから」


別に明日は休みだから急いでやる必要もないのだけど、
なかなか本題を口にしない2人に、苛立ちを覚えてしまう。



すると決心したのか、今まで黙っていたパパが口を開いた。






< 2 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop