1億の☆
彼の姿は、
一言で言うならば『美青年』。
スラッとした、でもがっしりとした肩幅のある体格で、
高級ブランドのスーツを着こなす。
サラサラの栗色の髪は、無造作に後ろに流してセットされている。
切れ目は長い睫毛を持ち合わせ、瞳は髪と同じ栗色。
高い鼻に、薄い唇は淡い桃色をしている。
たぶん、多くの女性が彼に惹きつけられるのは間違いないだろう。
「こんなもんで息切らすかよ、普通。」
容姿からは想像できないような暴言を吐く彼に、嫌悪感を覚える。
大体コイツ(←既にコイツ呼ばわり)は誰なんだ!?
自分よりも頭1つ2つ高いところにある顔を、無言で睨む。
「部屋に案内するからついて来い。」
あまりの冷たい態度が癇に障る。
(・・・・ついて来い!?)
「ちょっと待ちなさいよ!!
何よその態度!?ムカつく!!!
アンタいったい誰!!??」