1億の☆




「…はぁ?誰に向かって言ってんの!?」



「アンタに決まってんでしょうが!!」



眉間に皺を寄せて、蔑むように見下すヤツに、牙を剥き出しにして立ち向かう。

(なんでこんなヤツに見下されなきゃいけないのよ!!)



「俺が誰かわかってて言ってんの?」



「知らないから聞いてんでしょうが!!!

だいたい、初めて会ったんだから名前くらい名乗りなさいよ!!」



私の言葉に、一瞬目を見開き考え込む。

両手をズボンのポケットに入れ、目線を下げ、
クスクス笑っているようにも思える。




「初めてね…


まぁそれならそれでいいか…。」



微かに聞こえた言葉の意味はまったく意味がわからない。




「ちょっ「俺は、藤堂類。ファッションブランド『Acqua』の社長で、お前の婚約者」






(…えっっっーー!!??)



私の言葉を遮り発せられた言葉に衝撃を受ける。


だってそうでしょ?

確かに私は藤堂類のお嫁さんにならなくちゃいけなくてここに来た。

だけど、こんなヤツだなんて聞いてない!!

こんなに性格悪いなんて聞いてない!!!

社長だなんてもっと聞いてないぃ~!!!!











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