1億の☆
「・・・・・部屋変えて。

もっとせまいトコあるよね?」


こんな部屋に住みたくない。



「狭い部屋?

これ以上狭いのは使用人用の部屋しかないぞ??」



「そこでいい。変えて。」


ここは私のいる場所じゃない。




「フッ、何お前?狭い方が好きなわけ??

そんなんできるわけないだろ、俺の結婚相手なんだから。」


馬鹿にしたように笑われて、余計にこんなトコに居たくないと思った。





当初は結婚しなければいけないのだと覚悟を決めてきていたものの、
嫌で仕方なかった。

ここへ来て、コイツに会って、ありえない気持ちが溢れ出ていた。

そして今、それは絶対的なものになり、私に決意させる。





「いいから変えて。


それから、アンタと結婚する気、本当にないから。

1億円は必ず返す。

ただ、すくには返せないから・・・

とりあえず返せるまでは、奥様に言われた通りここで暮らす。

それだけ。勘違いしないで。」



一億円は必ず返す。










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