1億の☆
「勝手なこと言ってんじゃねぇぞ?
家族以外はお前の借金のことは知らない。
俺の嫁としてここにいる以上、そんな扱いをしたらウチの恥だ。」
私の言葉の真剣さがやっと伝わったのか、藤堂類が不機嫌になったのがわかる。
それは今までと違った低い声色や、醸し出すオーラからひしひしと伝わってくる。
けれど私だってここで折れるわけにはいかない。
これは気まぐれなんかじゃない、
私の人生をかけた決意なのだから。
「・・・・・言えばいいじゃん。
私は結婚する気ないんだから・・・・、
いっそ使用人として置いてくれてかまわないよ。」
重苦しい空気を纏いながら近づいてくるアイツに1歩引きそうになってしまう。
それでも一語一語力をこめて、目を逸らさず言葉にする。