1億の☆
「お前さ、我が儘言える立場だと思ってんの?」
藤堂類の手が私の頬に触れる。
既にふたりの距離が目と鼻の先まで近づいた為、見下ろさせている状況だが、それでも目線は逸らさなかった。
いや、逸らせなかったんだ。
あまりにも真剣で、それでいて威圧的なその瞳から。
今にも吸い込まれそうなその熱い眼差しから。
「お前は俺と結婚する。
・・・・・それ以外は許さない。
その気がないのなら今すぐ1億払ってもらう。」