1億の☆


「ッ痛っ!!」


二人の体が離れたと同時にアイツの顔を思いっ切りひっぱたいた。

そのままその手で自分の唇を拭う。



「最っ低・・・・・・」



突然のことで頭が回らない。

ただ嫌で嫌で、
ただ悔しくて悔しくて、
涙が溢れてくる。


「・・・・・出てって」


腫れてしまいそうな位ゴシゴシと唇を袖口で何度も拭いながら、

搾り出せたのはその一言だけで、

今にも零れ落ちそうな涙を必死に堪える。


とにかくコイツの顔を見たくない。





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