1億の☆


菫さんというのは來の母親で、小さい頃からよく両親の旅行中なんかに御世話になっていた。


中学の頃までは良く遊びに行っていたのだが、來の部活の関係やらなんやらで疎遠になっていた。


だが藤堂の家に住むようになって、けどあの家では食事を食べたくなくて、來の家族が経営しているお弁当屋さんに買い物に行ったのをきっかけに、放課後お店を手伝う代わりに夕飯をご馳走になっているのだ。



「もちろん、お邪魔させてもらうよ。

菫さんの料理はみんな美味しいからなんでもいいよって言っておいて。」


「わかった、伝えとく。じゃあ、あとでな!!」


「OK~」


用件が済むと來はそそくさと戻っていった。

もうHRも終わったから急いで部活に向かったんだろう。

次が高校最後の大会だって言ってたし、頑張って欲しいな。



そう思いつつ私は來の背中を見送った。


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