1億の☆
「・・・・お前は自分の立場がわかっているのか!?」
強い口調とその眼差しに気持ちが怯んだ。
手の平が震えている。
瞳には涙が溜まり、今にも零れ落ちそうだった。
だけどここで怯んだら、自由が手の平から零れ落ちて行きそうで両手を強く握り締めた。
一旦噛み締め震えを抑えてから口を開く。
「・・・わかってるわよ。買われた身なんだから言うことを聞けって言うんでしょ?
冗談じゃない・・・・、あんたなんかには屈しないんだから!!」
自分の声が震えたのがわかった。
アイツの鋭く、冷たい瞳が私を捕らえて離れない。
正直、コイツが譲歩するなんてありえないと思ってる。
それでも不可能を可能にしなくちゃいけないんだ。
私の未来の自由の為に。