1億の☆
「いい加減にして!!!
私のことは私が決める。勝手に決めないで!!」
大声を張り上げた私の声が、車内中に木霊した。
大声過ぎたのか、藤堂類は隣で辛そうな顔をしている。
「音水様、高卒と大卒の初任給の差ご存知ですか?
職業によっても異なりますが、大卒でしか取得できないような資格を持つ専門職に就けば、倍以上は違います。
音水様の考えもわかりますが、ここは先のことも考えて、大学は卒業しておくべきです。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
西條さんの言っていることは正論で、まったく反論できなかった。
だからと言って全てに納得がいくはずがなく。
モヤモヤした感情を抱え、ただただ俯くしかなかった。