1億の☆
「っいい加減、隣で大声をあげるのはやめろ!今度はなんだ!?」
またもや藤堂類は辛そうな顔をして、今度は文句を言われたが、今の私にはどうでもいい。
「用事があるから降ろして!!」
來との約束をすっかり忘れていたのだ。
職員室に行ったりもしていたから、通常の下校時間から既に2時間以上経過している。
きっと菫さんが心配しているだろう。
逸る気持ちを抑えきれず、『早く早く』とジェスチャーで訴える。
「何の用だ?」
焦る私を余所に、不機嫌な声が問う。
「友達と約束があるの。」
「友達とは?」
「アンタには関係ない。」