1億の☆
前を見るとただの赤信号。
車が停車しているのは片側3車線の国道。
丁度通勤ラッシュの為か車の通りは激しい。
けれどこのチャンスを逃す手はない。
私は躊躇いもなく車のドアを開け車を降りた。
そのまま勢い良くドアを閉めると、振り返ることもせず、その場を走り去った。
その頃車内では、取り残された男二人が呆気に取られていた。
「・・・・・・・・・・、追いかけますか?」
「・・・・・・・・・・、いや、間に合わないさ。
自宅に戻ってくれ。」
「・・・・・かしこまりました。」
大きなため息が車内に零れ落ちた。