1億の☆
4コイン
「・・・んっ・・・・はぁ・・・・っはぁ」
腰を折り、膝に両手をついた状態で荒く息をする。
目の前には
『☆ホっとおいしい都弁当☆』
と書かれた看板。
辺りはすっかり暗くなり、所狭しと立ち並ぶ店頭から洩れ出た光が道を照らしていた。
既に買い物時間のピークは過ぎたのか、人通りはまばらになり、
いくつかの店はシャッターを下ろしはじめていた。
「・・・ふぅ、よし!こんばんわぁー!!」
ようやく呼吸を整えて目の前の店の奥へと声をかける。
すると「いらっしゃいませ〜。」と言いながら黒いエプロンを付けた女性が現れた。