奪ったのは君か僕か
「…ッ!」


ナイフが首に入りそうなところを
俺は本気で止めた。



「モミジ!!」


「…あ、あなたは?」



「俺は…」



「放して下さい…。私はもう…」



「だめだ!モミジ!生きるんだ!
 あなたは美しい。俺は…私は
 あなたほど美しいヒトを見た事は
 ない。」


「…。」



「泣かないで、モミジ。
 俺がモミジを守る。」



ナイフを奪い、その代り手を握り、
ひざまずいて手にキスをする。




「モミジ…俺はルキーニ。
 よろしくな。」
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