奪ったのは君か僕か
食事を終え、侍女が去った瞬間ルキー
二は、私に話しかける。


「モミジって少食なんだな!
 もう少し食べないと、病気になるぞ!」



「…。」



「…モミジ、何があったんだ?
 なぜ、自ら命を断とうとしたんだ?」



「…ルキーニ…。ごめんなさい、
 今はそっとしておいて…?」


私は、思わず涙ぐんでしまう。



「モミジ…わかった。
 いつか、話してくれよ?」



優しく微笑む彼。
そしてルキーニはそっと私の手を取り
昨日と同じようにひざまずく。



「モミジ…あなたは美しい。
 君の瞳は…宝石のように美しく、
 君の声は、鳥のさえずりのように
 美しい。
 君の命は…世界の何よりも輝いている。
 
 俺はモミジに誓う。
 俺の、全てを…

 全てをかけて守ると!」



そうしてルキーニは手にキスを
落とす。



あぁ…



堕ちてしまいそう、



堕ちてしまいたい。
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