奪ったのは君か僕か
モミジ…


なんだか嫌な予感がする。



モミジは絶対に来るなと言ったが
気になるもんは気になる!!


ついていっちゃうもんね!




静かにあとをつけてたどり着いたのは
奥の一際綺麗な部屋。


中からかすかに声が聞こえてくる。




「…」



耳を澄まして聞いてみると
モミジと男の声がした。



「紅葉。」


「上様…。」


「どうだ、今日はもういいだろう?」


「上様…私は…」


「私は健康な世継ぎがほしい。
 が、その前に私はお前に惚れている。」


「…私は…。」


「…ここに来る前の許婚が忘れられない
 のだろう?それならいいことを教えて
 やろう。あいつなら、奥見屋の娘と
 結婚したそうだ。」


「!!!」

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