奪ったのは君か僕か

栄蔵

紅葉が江戸城に奉公しに行くと聞き、
気が気ではなかった。


紅葉は俺の許婚。


好いて好いて仕方なくて、


やっと許婚になれた俺の大事な人。


毎日幸せだった。


大切な人が側にいて過ごす日々。


何気ない毎日が、輝いてみえる。


そんなある日のことだった。


紅葉の両親に呼ばれた。
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