奪ったのは君か僕か
彼女は奥見屋の娘、百合野。


とても綺麗で、年も若く、そして、
俺を愛してくれている。


だからこそ、彼女には本当に
申し訳ないと思っている。


彼女に俺の気持ちはないから。


はぁ、と小さく息を吐いた時だった…


「おい。」


急に声がして、振り向くとそこには
金髪、青い目の美しい男が立っていた。


「だ、誰だ!?」


「俺はルキーニ。死神だ。」


「ルキーニ…?死神?」


「お前の命を取りにきたわけではない。」


「では、誰の命を…?」


「はッ。そんなものお前がよく知っている
 だろう?」


「ま、まさか…紅葉…。」


「栄蔵さーん!準備できました?」


百合野に呼ばれはっとする。
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