奪ったのは君か僕か
街は人で賑わっていた。


「なんだか、今日は気分がよくて…
 久しぶりに外に行きたくなったの。
 ねぇ、ルキーニ。今日は私に合う
 かんざしを探して?」


「あぁ!とびきりかわいいの選んでや
 るよ!」


「ふふ、楽しみね!」


はたからしてみれば俺は見えないから
モミジ一人の買い物に見えるが、
これは俺とモミジのデート。


楽しい

幸せ

嬉しい


いいな、恋って。


「ルキーニ。このかんざしは?」


「いや、モミジこっちのほうが似合う!」


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