奪ったのは君か僕か
ルキーニに連れられてお店に戻る。

ただでさえ金髪に青い瞳で目立っている
ルキーニ。
私は何が何だかわからない状況で店へ
と戻って来てしまった。


店にはまだ、あの二人…。

「おじさん、このかんざしくれ!」

大きな声でルキーニが言う。

「はいよ。そこの彼女にあげるのかい?
 きっと似合うよ。」

「ありがとう!」

驚いた顔をして栄蔵さんがこっちを
見ている。


「愛している彼女へ俺からの
 プレゼントさ!」

「ルキーニ…」


「さぁ、行こう。この後はどこに
 行こうか。」

「紅葉…」


栄蔵さんが私を呼ぶ声が聞こえたけど
私は振り返らなかった。
< 65 / 100 >

この作品をシェア

pagetop