奪ったのは君か僕か
百合野に付いてかんざし屋に寄った。
綺麗なかんざしがあるもんだ。

あ、この桜色のかんざし…
紅葉に似合いそうだな…


「いらっしゃーい」
と店主が挨拶をする。


ふ、と店主の方をみると、そこには
求めて求めて消えてしまった俺の
愛する人がいた。


これは

夢?

現実?


「栄蔵さん…」


紅葉!これは現実だ!

紅葉が俺を見ている。


「栄蔵さん?お知り合い?」


百合野がおれに問う。

しかし、話をする前に紅葉は走って
店を出て行ってしまった。
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