奪ったのは君か僕か
へたり、と百合野が座り込む。

「百合野…ごめん…愛してやれなくて。
 俺の気持ちはずっと、紅葉だけのも
 のなんだ…。」

「いくわよ!エイゾウ…!」

「おい!どこに…!?」

「決まってるじゃない!
 エドジョウ!」

「だって…百合野を置いていく訳には…」

「栄蔵さん!いいの…ごめんなさい…
 私が悪かったの!私も栄蔵さん…
 愛してるから!わかるの…だから!
 行って!紅葉さんのところに!!」

「百合野…」

「さ、つかまって。」

ジャスミンに抱かれ空へと羽ばたく。
黒い羽が美しい。

「ジャスミン…ごめんな…」

「…別に…」
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