奪ったのは君か僕か
私は、今まで起きた事をすべて
栄蔵さんにお話しした。

将軍様にむりやりされたこと、

子を授かったこと、

…ルキーニのこと、

全部を。


「今は、将軍様への憎しみも
 ございません。
 母になる喜びをただただ感じる
 毎日でございます。
 どうか、私などのことはお忘れ
 になって奥様と新しい道を歩んで
 行ってください…

 私は、本当に愛するものを見つけ
 ました。ルキーニ…?出てきて?」


「モミジ…」


人間の姿になって現れたルキーニは
本当に体調が悪そうだった。


「愛してるのは…ルキーニ…
 あなたよ?ずっと一緒にいてほしい…」

「モミジ…俺も愛してる!!





 ごめん、一緒には…

 いれ、ない…」

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