奪ったのは君か僕か

それぞれの道

「瑠伊!あまり走ってはいけませんよ!」

「はは、紅葉。よいではないか。
 男の子は元気がなくてはいかん。
 ほら、瑠伊。私が高い高いをして
 やろう。」

「わーい!お父上!してしてー!!」

「将軍様は本当に瑠伊に甘いんですから!」


ルキーニが消えて3年の月日が流れた。

私は男の子を産み、「瑠伊」と名付けた。

周りからは変な名前だといわれるけど…

ルキーニから一文字もらいたかったから。

私はほかにない素敵な名前だと思っている。


将軍様も、今までの話をしっかりと受け止
めてくださった。

今は信じられないほど…

穏やかな時が流れている。
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