天国の妻へ、俺たちは元気です
「雪、こっちに来なさい」
雪は無言で振り返り、俺に駆け寄ってきた。
「ねぇ、パパ。ママなにもいわないよ?」
俺は答えずに、ただ雪を抱きしめた。
「ママ、ゆーちゃんのこと、きらいになったのかな?だからはなしてくれないの?」
「ちがうよ!大丈夫!ママはゆーちゃんが大好きだよ!」
俺は考えた。
どうする、どう説明すればいい!
「雪、今は……今はママ、疲れてるんだ。だ、だから……ね、……休ませてあげよう……。な?」
どうしようもない説明だった。
「パパ、なんでないてるの?」
何も言えなくなった。