天国の妻へ、俺たちは元気です
俺はいつものようにがっくりと肩を落とし、家路を急いだ。
もうすぐ5歳になる娘の雪が、きっとお腹をすかせているはずだ。
もうすぐ6時。
この時期は、この時間帯でも薄暗い。
日はどっぷりとくれて、かすかに黒ずんだ青色の空が、俺の心をますます沈ませた。
そういえば、今日はアルバイトの給料日か。
ふと、そんなことを俺は思い出した。
「帰りに給料もらって、うまい弁当でも買ってくか……」
俺の料理はお世辞にもうまくない、というより不味い。
だから、たまには雪にうまいもんを食わせてやりたかった。