天国の妻へ、俺たちは元気です



苦しそうな雪の息遣いが、俺の耳の中にこだまする。



「そ、そうだ、病院だ!とにかく病院に連れていかないと!」



俺はすぐにぐったりとした雪にくたびれた雪のお気に入りコートを、パジャマの上から着せた。



「ごめんな、今度新しい服を買ってやるからな!」



半泣き状態の俺。



とにかく、雪を早く病院に連れていかなくては。



ただ、俺は車を持っていない。



家に電話はないし、携帯もとまっている。



結局、雪を抱え俺は近所の家まで電話を借りに急いだ。



恥じらいなどない、もう壊れかけている。



< 22 / 25 >

この作品をシェア

pagetop