天国の妻へ、俺たちは元気です
だめだ、雪が聞いていたらどうするんだ。そう、思いながら、俺は言葉を押さえることができない。
「就職も全然見つからねぇ。今のバイトだけじゃ不安なんだ。もうすぐ雪も小学生だ。中学までの学費ならじいちゃんばあちゃんとお前の保険金で何とかなるかもしれん」
まずい、涙がでそうだ。
「だが、高校は厳しい。今のように月6、7万じゃ、学費なんてたまりゃしねぇしな。かといって、時代は不況、就職難の世界。俺はどうしたらいい」
俺は天井を見た。
そうでもしないと涙がこぼれる。
「パパー、ゆーちゃんトイレも行ってくるね?」
洗面所の方から、雪の声が聞こえてきた。