天国の妻へ、俺たちは元気です
「ん!?あ、あぁ!そうしとけ!ご飯とときにトイレはお行儀悪いからな、先に行っとけよ?」
「はぁい!」
助かった。
俺は安堵した。
雪が声かけてくれなかったら、俺は今まさに泣いていたに違いない。
父親として、それだけは避けたい。
雪の前で涙を流すことだけは。
「わりぃな、雪と夕飯食べてくるわ」
俺は俺はそう言い残し、その場を後にした。
そうだ、泣いたって、しぐれは帰ってきやしない。
俺は自分にそう言い聞かせた。