ラスト プリンス
「こんな可愛い子捕まえるなんて、耕太も隅に置けないねぇ。 ねぇ、香保里さん」
「ホントね。 やっぱり若いっていいわね、ユキ。 ……あ、ほら! ユキったら挨拶した?」
「してなかったっけ? まあ、いいや。 私は藤野ゆき。 最凶最低二重人格人間の息子がお世話になってます」
…………は?
「えっ……。 最凶最低二重人格人間って……えぇぇええっ!!」
ユキさんと耕太を交互に見てしまう。
だって、ほら!
思ってもみなかったことっていうのもあるんだけど、なんか、ねぇっ?
「で、でも! さっきとかその前だって、ユキさんのこと名前でしかも呼び捨てでっ……」
「その方が若くいられる気がすると思わない?」
その麗しい顔に、上品にさらに上品を足したような笑みを浮かべるユキさん。
確かにユキさん綺麗だし、耕太も結構顔立ち良いから納得出来るには出来るけど……ってあれ?
「ちょっちょっちょ!! 香保里さん、名字『村上』ですよねぇっ? じゃあ、カイさんのお母さんっ?!!」
ふぁ、ファミリーが集結しちゃった!
っていうか、なんか凄い! さすが親子って絶賛したいくらい、似てる!
わっ、わっ、わっ!!
たぶん、そこらの映画以上に感動もんよ、こういうのって!