ラスト プリンス

 別に何度もセックスなんてしてきたのに、恥ずかしいだなんて思ったこともなかったのに。

 それに、あたし。初体験だってこんなこと言わなかったのよ?

 だから、なんでって考えたら、これしか出てこなかったの。

「あたし好きな人とするの初めてだから」

 セックスってこんなに緊張するものなのね。 って今なら真顔で言える気がするわ。

 くすりと笑った耕太はあたしの頬を撫でる。

「あ、笑ったぁ」

「仰せの通り、優しく快感に溺れさせてあげますね」

「あ、敬語バージョン久しぶりだぁ」

 でも耕太の敬語は好きじゃないな、と感じている間に耕太の顔は胸にたどり着いていた。

「………ん」

 指で摘まれたり舌で転がされたり吸われたり甘噛みされる度に、あたしの身体はぴくりと反応を示す。

 気付けば、耕太の左手が下にのびていて、簡単に下着の中に進入した。

「……ああっ」

 耕太の指が敏感なところに触れるたび、おかしくなりそうで。

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