ラスト プリンス
「もうだめっ……」
「梨海。いれるぞ」
もうなにがなんだか分かんなくなっちゃうくらい快感の波が押し寄せて、必死に耕太にしがみ付いた。
スプリングの軋む音と、どちらとも言えない熱い吐息が響く中、あたしたちは再び唇を交わしたの。
◇◇◇
まだ熱が残るカラダを耕太に抱き寄せられながら、瞼を閉じる。
このまま眠りについてもおかしくないけど、やっぱりシャワーくらいと思ってしまうあたり、慣れが見えるわ。
瞼を開けて耕太を見上げれば、ちょうどかちりと目が合って唇が重なる。
「足りねぇの?」
軽いキスの後、そんなことを聞いてくる耕太に「ばーか」と一言。
「あっ! ねぇ、そういえばさ」
何が引き金で思い出したかは分からないけど気になっちゃうじゃない?
「罰ゲームってなに?」
きっと耕太はあたしのこと、猫辺りと間違えてると思うの。だって撫で方がなんだかペット仕様なんだもん。
優しくあたしを撫で上げた耕太は、うんと顔を近付けてから。
「俺の女になれ」
と妖艶な笑みを浮かべてあたしに深いキスを落とした。
耕太への気持ちは今までで一番重たい気持ちだと思うの。
でも、この気持ちにさせたのは耕太なんだから、受けとめてくれなきゃ困る。っていうか、耕太しか受けとめられないと思う。
だから。だから、あたしを離さないで。
あたしだって離さないけど。これから先もずっとお互いがお互いを求めてたいから。
「あたし耕太の女よ?」
お願い。
耕太があたしの最後の“王子様”でありますように。
このしあわせをいつまでも。
◇END