ラスト プリンス
「いっひっひっひっ!」
「きっ気持ち悪い笑い方しないでっ」
「いいねぇ、いいねぇ。あたし、こんなツンデレ初めて見たわ」
「ばっ!!」
けたけたお腹を抱えて笑うあたしを見て恥ずかしくなったのか、ゆでダコよろしく赤くなるひなたちゃんを見兼ねて。
「わっ私!お兄ちゃん呼んでくるねっ」
緊急事態だと言いたげに寝室を後にしたさくらちゃんの叫び声がリビングから聞こえてくる。
「あー、可愛い」
「かっからかわないでっ。ってゆーか、猫女何歳よ!」
揚げ足でも取ろうって考えかしら?
くすりと笑ったあたしを睨むように見るひなたちゃんの耳元に口を寄せ。
「On age two years old of you. The first grade of high-school.(あなた達より二歳年上。高校一年生よ)」
えっ、という顔をしたひなたちゃんを余所にガチャリと開いたドアから耕太があたしの名を呼ぶ。後ろにはさくらちゃんが隠れてるみたい。
「あたし、ひなたちゃんとさくらちゃんと仲良くなれそうよ?」
「ふぅん。てか、いい加減着替えてこっち来い」
「ねえねえ」
と耕太に手招きしながらベッドの上を移動する。
近づいた耕太に抱きつき、ひなたちゃんとさくらちゃんに見せ付けるようにキスをした。
『………っ!!!』
絶句する二人にピースサインを見せた途端、ひなたちゃんは「猫女ぁあああ!」とシャウトした。
◇SS END